愛しのニャンコ
晴香の部屋では、黒田と晴香は沈黙の空気になっていた。

そこにドアが開いた。

そこにはニャンコの姿が………。

『ニャンコ!!お前無事だったんだな!』

晴香の顔に不安だった表情が消えた瞬間だった。

ニャンコは黒田を見ると声を掛けた。

『黒田席を外しなさい。』

その瞬間晴香は寂しい表情に変わった。
もう俺の知るニャンコじゃ無いんだ!

人違いなんかじゃ無かったんだと思った。

ニャンコは俺の前に来て涙を浮かべ話始めた。

『晴香さん大丈夫?あの時僕を助けなきゃ良かったのに。』
『何を言うんだニャンコ。お前は生きなきゃ行けないんだ!』

『黒田から聞いたの?』

『あ~』

『全部知ったんだ。』

『お前何考えてるんだ?』

ニャンコは笑顔で答えた。

『ぼくママもパパも死んで寂しかった。
でもね、家を飛び出して、記憶を無くした半年間本音に幸せだったよ。

晴香さんが居たから。

伯母様に会って決心が付いた。ぼくママやパパの分も居きるから。



俺は何も言えなかった。ニャンコが居なくなると考えると。

『ぼくね、晴香さんに拾われなかったらどうしてたかなぁ?
今でも晴香さんの事好きだよ。だから晴香さんぼくの側に居て。』

俺は嬉しかった、けどこれで良いのか良く分からなかった。

『晴香さんぼくの側に居て。』

『俺で良いのか?』
『うん!』

俺は嬉しかった。ニャンコの気持ちがとても嬉しかった。

ニャンコに優しくキスをした。

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