包み愛~あなたの胸で眠らせて~
「もっと守るためには、俺たちの関係を確実なものにした方がいいと思うんだけど」

「確実な関係?」

「うん、俺は紗世が好きだから」

「私も広海くんが好きだよ」


広海くんの言葉が少し弱くなる。彼は私の気持ちを探りながら、言葉を紡ぐ。女性に対して恐怖や不信感を抱いていた広海くんは私を求めてはいるけれど、自分の気持ちを押し付けようとはしない。

私の気持ちを確かめながら、手を取ろうとしている。

私も不安はあるが、広海くんもまだ不安がある。だから、彼の気持ちに応えながら、大丈夫と安心させたい。

守られるだけでなく、私も守りたい。


「良かった」

「うん」


弱々しくも私の気持ちを確かめた広海くんは嬉しそうな笑顔を見せる。その笑顔に私の顔もほころぶ。


「紗世。ずっと守るから俺と付き合ってください」

「ありがとう、広海くんの気持ちがとても嬉しい。よろしくお願いします」


私の返事に広海くんの顔はさらに笑顔になった。ずっと欲しかったものを買ってもらって喜ぶ子供のようだ。

彼の笑顔をいつも見ていたい。
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