包み愛~あなたの胸で眠らせて~
「ずっと心の中で紗世を求めていた」

「私もずっと会えたらいいなと思ってた」


私たちは注目されていることを忘れたかのように二人だけの世界に入っている感じだ。周りの目を気にするよりも、広海くんの言葉をちゃんと聞きたい。

広海くんの想いをちゃんと受け止めたい。


「紗世に会えたことで俺は強くなれたと思う。紗世の存在、優しさが俺を救ってくれた」

「私も広海くんがいてくれるから、不安がなくなって前向きになろうと思えた」

「でも、紗世はまだもろいと思う。今日も不安だったんじゃない?」

「うん」


広海くんは私をちゃんと分かってくれている。不安を言葉に出さなくても、彼はちゃんと私の内側までしっかりと見てくれている。


「だから、もっと紗世を支えたいし、守りたい」

「うん」


今でも充分支えてくれているし、守ってくれている。もっとなんてそんなに欲張るつもりもないのに、広海くんは私の不安を全部取り除こうと考えてくれている。

真っ直ぐと私を見つめる彼の瞳からは強い意志が伝わってきた。
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