包み愛~あなたの胸で眠らせて~
その白い小袋には、赤い海老が描かれていた。あとで食べようとパソコン横に置いて、事のいきさつを振り返る。

数日前に食べたクッキーが美味しかったという堀田くんの話を聞いて、クッキー好きの私は興味を持ち、どこのお店のどんなクッキーなのかと詳しく聞いたのがきっかけだった。

そのクッキーがまだ家に残っているから翌日に持ってきてくれた。本当に美味しくて、満面の笑顔でお礼を言った私になぜか好感を抱いてしまったようだ。

それから毎日……今日で四日連続になるが、美味しいというお菓子を持ってきてくれていた。

さすがに毎日続くと単にお菓子をあげるだではなくて、他にも目的があるのではないかとちょっと自惚れてしまった。

決定打は昨日のお誘い。昨日はとろけるキャラメルをもらった。その時に私も今度気に入っているお菓子を持ってくると話したら、お礼なら違う形でしてほしいと言われた。

堀田くんが望んだのは休日のデート。

予想外のお誘いに私は「考えさせて」と答えた。誘いを受けることで期待をさせてはいけないから。
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