彼のいちばん
お昼休み。

「かのちゃん、お弁当食べよ〜」

「うん、じゃあまゆの席のとこ行くね」

かのは、お弁当はいつも決まったメンバーで食べていた。

4月から仲良くなったまゆと、吹奏楽部でずっと仲の良かったりんと、必ずお昼に集まって教室でプチ女子会を開いていた。


「あれ、かの。りんちゃんは?」


「あ、りんはね、部活の会計の仕事があるんだって。お昼は早弁してたよ。」


「へぇ。さすが、吹奏楽部は仕事もちゃんとしてるんだねぇ。」

「人数多いからね。まゆも、しっかりしてそうだし、向いてそう。」

「そうかなぁ〜」

そういいながら、まゆは唐揚げを口に放り込んだ。

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