彼のいちばん
こんなの、浮気に…ならないよね?
話すだけなら、他の男友達ともやってるし。
竹下も、大丈夫だって言ってたし…


かのは、不安になりながらも、楽しい二人の会話を終わらせたくなかった。


それは、裕太も同じだった。



ある日、二人は学校で、話をしていた。
周りには、電話をしたり毎日ラインをしたりしているのは秘密である。


「内田、次の授業、なんだっけ」

「現代文だよ。教室は2組。」

「現代文かぁ〜俺眠くなるんだよなぁ」

「ふふっわかるわかる。わたしもあの先生の話し方聞いてると、すぐ眠くなっちゃう。」

ガラッ

「授業をはじめまーす」

起立、礼、着席

委員長の号令を合図にみんなが着席する。


しばらく現代文の先生が話すのを聞いていると、かのに眠気が襲って来た。

(ふあぁ…。だめだぁ、眠すぎる…。竹下は大丈夫なのかなぁ)

チラッと裕太の方を見るかの。
裕太は机に突っ伏して熟睡していた。

(あちゃー、寝ちゃってる。まあ、あの先生ゆるいし、怒られないでしょ)

ふふっ

気づかぬうちに、口角が上がっていたようだった。
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