弱虫リフレクション【短編】
玉木に誘われてきたのは、俺だけじゃない。
もう一人。俺と玉木ん家の近所に住む同級生の女子、上坂南都(かみさか みなと)もまた、手伝いに来ていたのだ。
家が近いこともあってか、俺たちは小さい頃から三人でつるむことがよくあって。
それは今でも変わらなく続いている。
南都は優しい。
人に頼まれたら絶対に断らねーのが、南都の質だ。
で、俺が黙って手伝いに参加したのは、そんな南都も誘うって聞いたから。
だって、あいつが行くなら行くっきゃねーじゃん。
……にしても、どこ行っちまったんだろう。
祭りはこのあと17時からだ。
準備が終わったらみんなで参加しようと思ってたのに。
「俺も気になっていた。少し前から姿が見えないが……」
「だよなー」
「あぁ、南都ちゃんならもうすぐ──」
と、その時だった。