わたしのキャラメル王子様

「うん、晩御飯いらないからね。遅くなるけどこっちに戻ってくるから戸締まりしっかりして待ってて」



「えっ、あのちょっと……」



バタバタと身支度を整えて出ていっちゃったから、何も聞けなかった。
なんか最近の悠君、絶対におかしい。
彼が何を考えてるのかわからなくて、急に不安になる。



テーブルのうえはぐっちゃぐちゃに散らかったまま。
ふぅ、とひとつため息をついた。
これを私に片付けろと?



でも、そこにはカラフルなチョコペンやアラザンでデコられた男の子の顔のクッキーがあった。



右目が赤、左目が黄色のマーブルチョコなのなんでだろ。なんか適当すぎて笑っちゃった。
もしかして、自分のつもりなのかな。



オーブンがピーっと鳴ってドアを開けたら


『T』『M』『E』『E』『A』


5つのアルファベットの形のクッキーが出てきた。



パズルだな。
こんなの簡単に解いちゃうもんね。



あれこれ並び替えて
たどり着いた答に赤面してしまった。
まさかとおもってオーブンのなかをもう一度覗いたら、奥にひとつ隠れてたのは『♡』



『E』『A』『T』 『M』『E』『♡』
(わたしをたべて♡)


クッキー食べてねって意味なんだろうけど、このフレーズって普通女の子が男の子に使うんじゃないの?


こんなの、とても食べられそうにない。キュンとしちゃって、恥ずかしくって、インスタにだって上げられそうにないや。

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