がらくたのハート
「この、バカモノ!」

家に帰って、カノンさんの家で起こった事を博士に説明しました。
ガツンとスパナで殴られました。
一応、頭は一番丈夫に出来ていますが、衝撃で目の前が歪みました。

『すみません。羊毛もミルクも頂けませんでした』

「そうじゃない! お前はあの娘を傷つけたんだぞ!」

『ワタシは傷をつけてません。“人に危害を加えない”プログラムは正常です』

「違う。あの娘の心をだ! はあ……もう、いい」


博士は頭を抱えて、ラボへと戻って行きました。
心が傷つく。とは、どういう事でしょう?

ワタシは殴ってもいなければ、蹴ってもいません。
博士のプログラム通り、人を傷つけてはいけないのですから……

楽しくお話をしていただけです。
ワタシはただ、カノンさんの幸せを知りたかっただけなのに……。


何度データを探してみても、出てくる結果は――

『データがありません』
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