がらくたのハート
ゴツン!

ほら。やっぱり。背中です。


でも、今日は何かが違います。
体への衝撃値が、25%を超えていました。

いつもなら10%もいかないのに。


後ろを振り返ると、木の棒を持っていました。


『また君ですか。ラズ。それは楽しいのですか?』

「うるさい! ロボットの癖に喋るなよ」

『ロボットだって喋りますよ。おや、背中が少しへこんだようですね』

ワタシの体は、ジャンクで出来ていて硬い場所もあれば、脆い場所もあります。


背中はちょっと脆いですね。


『博士に直してもらいます』

「もう! 喋るなよ、がらくたロボット! 本当に壊しちゃうぞ」

『壊されたら集めたデータが消えてしまいます。駄目です。それに、がらくたではなく、SH‐32Aと言う名前があります』

「変な名前だな! がらくたでいいんだよ! お前なんか」


ん~。これも彼の幸せなのでしょうか。

博士やカノンさんとは、違いますね。


ワタシにも幸せを保存する事は出来るのでしょうか……。
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