16の、ハネ。
じゃあ、なんで……?
私が聞こうとする前に、陽人が口を開いた。
「それとこれとは、話が別だ」
陽人は、その場にしゃがみ込んで自分の義足をコツン、と小さく叩いた。
「俺には俺の、舞台がある」
舞台。
そこは、どんな景色なの?
君はそこで、何を見てる?
何をしてる?
「その舞台って、どこ?」
私は聞かずにはいられなかった。
すると、陽人はとびきりの笑顔で「そりゃあ、もちろん」と言った。
「パラリンピックに決まってんだろ」