16の、ハネ。
心の中で満足していた、その刹那。
「もしかして、アンタ…………」
反射的に振り返ると、その男子生徒は、顔についた雪を払おうともせず、ただただ目を丸くしてこちらを見つめていた。
その顔を見た瞬間、私の記憶の奥深くが疼く。
あれ、私、この人のこと……どこかで……?
何か思い出そうとしていたそのとき、チャイムの音が響き渡った。
いかんいかん、早いとこ帰らなくては。
「サヨナラ」
もう会うこともないだろうその男子に向かって一声かけてから、今度は本当にその場を去ったのだった。