小悪魔カレシの甘い罰




 驚くほど無邪気な笑顔に、目を奪われる。


 やっぱりこの人小悪魔だ、美桜は心で思った。


 その気もないのに、ぐいぐいと相手の心に入り込んでくる。

 狙ってないとしたら相当のたちの悪い悪魔。


 けれど、関われば関わるほど、もっと中身を知りたくなってしまう不思議な魅力もある。



「し、失礼します」

 美桜はキャンディー咥えたまま深々とお辞儀をした。
 

 これ以上2人きりの空間にいたら、相手のペースに巻き込まれてしまう。

 危うい空気を感じて、司に背を向け、ドアに手を掛けた時、



「あんた、やっぱり面白いな」


 ちらりと視線を送れば、司は強かで美しい笑みを浮かべている。



 途端に、美桜の胸が早鐘を打つ。



 この人は危険。
 

 巻き込まれてはいけない。
 
 そう心にプログラミングしなければ──。








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