小悪魔カレシの甘い罰




「ためになった?」

「はい…というか、まだ全体把握してないですけど」


「でも諦めなかったんだ?」

 椅子に座ったまま美桜を見上げる司は、目を細めた。



「だって…知りたいじゃないですか」

「知りたい?」


「わからないことは知りたい、解き明かしたいです」

 司の目をじっと見つめてそう答えると、彼は目を細めて美桜を見上げた。


「それ…俺のコト?」

「え?」


「なんか熱を感じちゃったんだけど」

 からかうように笑う司に、美桜は思わず首を振る。


「あのっ…、知りたいのは司さんではなく、その技術とか、理論とか…っ」

 必死で弁明する美桜の前に、司が立つ。

 そして取り出したもうひとつのキャンディーを、美桜の口に入れた。


「ん…っ」

「んなの、わかってるよ」

 唇を塞がれて自然と言葉が途切れる。


 口の中に、甘さが広がり驚いた美桜は瞬きを繰り返す。


「これは、最後まで食らい付いてきた、ご褒美」

 美桜がくわえたキャンディーの棒を指で弾くと、くすっと微笑んだ。


「……っ」




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