小悪魔カレシの甘い罰



 司の仕事部屋は数台のパソコンモニターで一壁が埋まっていた。
 
 光りうごめく画面に照らされた部屋は、異様な光景だった。


 司はこの世界で仕事に没頭している。


 天才と呼ばれる彼の脳内を覗くようで緊張していた。
 

 それは当然のことだ。
 
 右も左もわからない新人が、天才プログラマーと組んで仕事をする。

 
 もちろん学ぶことはたくさんあるだろが、それ以上に仕事に対する要求の高さはすごいだろうと推測し美桜はすっかり萎縮していた。



「はい、これ資料。どーぞ」


 司は、積まれた書類の山から器用に一冊のファイルを取り出し、美桜の前に置いた。


 それはこれから企画する『デジタル遊園地』の概要だった。
 

 商業施設に期間限定で展示するもので、ターゲットは親子連れから若い世代まで。
 
 デジタル技術を生かし、触れながら学べるものを主とするとある。




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