小悪魔カレシの甘い罰




 
 どれくらい時間が経ったのだろう。
 

 あまり意識せずに、というより没頭しすぎて感覚がなくなっていた。
 


 それは、司の動きがいきなり停止したことで気付いた。
 

 突然手を止めた司は、パソコンのキーボードにガン、と頭を突っ伏したのだ。


「つ、司さん?」

 その音に、ハッとして美桜は顔を上げる。


「…眠い」

「大丈夫ですか?」



 美桜は立ち上がると、司のそばに行き背中に手を当てる。


 触れた手に、なんとなく微熱を感じる。




「平気。いつものことだから。…ほっといていいよ」


 司は長いまつ毛を伏せて言った。
 

 ここまでの集中スイッチをばちん、と切ってしまったように司の声は静かに落ちていく。
 

 湧き上がる創造力を追っているうちに、オーバーヒート状態になったようだ。
 


 心配になった美桜は司の背を数回撫でながら、

「毛布持ってきますね、今日はとりあえずここまでにしましょう」
 
 パタパタと急いで毛布を取りに行く。




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