小悪魔カレシの甘い罰
悪魔の思惑













「じゃ、各自プロジェクトの進捗状況を報告して」


伊崎を囲むようにして、スタッフたちが集まっている。


端から順に、今取り掛かっている仕事の進み具合を告げた。


タブレットを開き、その報告やアイデアを書き込んでいた美桜が顔を上げると、視界の隅に司を捉え、ドキッとする。


僅かに後ろに下がり、彼の眼の届かない所へ移動しようとした。

が、それに気づいた司はクス、と静かに笑ったように見えた。


「……」


 美桜は気まずそうに俯く。


 意識しないようにと思うのに、どうしても捕まってしまう。



 朝一で行うミーティングはスムーズに終わり、スタッフは各自自分のデスクに散っていく。

 美桜もタブレットを閉じると、自分のスペースへと戻った。





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