小悪魔カレシの甘い罰
ハウスルール











「てきとーに入って」


 ドアから顔を覗かせた司は、ひどく眠たそうにそう言った。


 髪も無造作に乱れ、眼鏡をかけている。

 いつもはコンタクトなのかとそこで気付いた時、寝起きなのだと理解した。



 礼をして後を追い、マンションの中へ入ると急に司が立ち止まる。



「いて…気を付けろ、ムーシュカ…」

「……?」


 なにかに話しかけている司を見つめ、美桜は首を傾げた。


 足元にはロボット型掃除機があるだけだ。



「ここはいいから…あっち掃除して」


 司は掃除機を持ち上げ、移動方向を変えてやる。

 あまりに普通に話しかけているので驚いてしまった。





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