最恐ドクターの手懐けかた
外来が終わり静かになった病院のロビーを抜け、外に出る。
随分暖かくなった春の風が、お気に入りのトレンチコートを巻き上げた。
人が行き交う繁華街を歩き、地下鉄に乗る。
何気なく暗い窓を眺めていた私の耳に……聴き慣れない音楽が飛び込んできた。
軽快なロックに合わせて、楽しげな男性の歌声が聞こえる。
どうやらそれは、隣に座る女子高生二人組の携帯から溢れているらしく、ちらりと携帯を見てしまう。
すると、四つに仕切られた画面に、何やら趣味の悪い男が映っていた。
赤い花柄の服なんかを着ていて、頭には……カップラーメンの容器を被っている。
しかもそのカップラーメン、遠藤先生からもらった『漢ラーメン』なのだ!!