最恐ドクターの手懐けかた
ナースステーションへ急ぎながらも、心臓はばくばく音を立てている。
漢マン、いや、遠藤先生のことを考えて。
あれから、遠藤先生とは気まずいものの、彼は普通に接してくる。
でも、彼の姿を見るたび、声を聞くたび、胸が震える。
諦めようと思っても、動き出した心は止まらないのだ。
ナースステーションに戻ると、中はやたらざわついていた。
「どうしたんですか?」
東さんに聞くと、困った顔で教えてくれる。
「さっきピアニストとバイオリニストにドタキャンされて……」
どっ、ドタキャン!?
少なくとも、十分前にはそんな連絡はなかった。
本当にギリギリになってドタキャンされたのだろう。