愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
「あ、ホントですか?でも、次からはもう少し考えますね。帰りっていつもこのくらいですか?」

高晴さんは天井を見上げて考えてから、こちらに向き直った。

「そうですね、早ければ19時過ぎに帰れることもありますが、遅ければ22時や23時です。どちらにしろ、帰宅時間は連絡するようにしますね」
「私も、今は店舗なので遅番なら23時過ぎです。早番なら19時には家に帰れますけど。お互い遅いときって、お夕飯は各自で大丈夫ですか?」
「もちろんです。雫さんが作れるときだけでいいですから。休みの日は、俺も頑張ってみます」
「え、ホントですか?嬉しい」

そこまで言ってから、会話の違和感につい笑ってしまう。

「私たち、敬語……」

あまりに自然にすべての会話が敬語なので、まったく夫婦らしくない。これでも誓いのキスをして結婚したのにね。高晴さんも今頃気づいたようだ。

「本当だ。つい。……これは徐々に慣らしていきましょうか」
「そうですね。急に変えるの難しいですもんね」

私たちは食後にお茶を飲み、高晴さんが先にお風呂に入った。
このあたりから私は緊張し始めた。
お互い入浴を終えたら、もう寝るのにいい時間ではないだろうか。

今日は、新婚初夜にあたる。
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