愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
結婚式前、私たちは二度しか会っていない。
一度は結婚式場となったホテルとチャペルの下見、二度目は高晴さんのこの家を見に来たときのみ。そのどちらも用事を済ませたら、外で軽く食事をして別れた。式場はお互いネットで調べて携帯で連絡を取り合い、家具なんかの購入もそうだった。本当にびっくりするほど事務的で効率重視。

クリスマスや初詣なんかのイベントもこの時期に挟まったんだけど、ふたりとも見事に仕事だったり実家に帰っていたりで挨拶程度にメッセージを送りあっただけだった。

つまりは私たち、婚前交渉をしていないのだ。

そして、私は何を隠そう処女だ。
27歳まで、男性という存在が人生に必要とは思わなかった。漫画でそういうシーンはでてくるけれど、ふうんくらいにしか思わなかった。それよりストーリーを追うことの方が大事でね!エッチなシーンより、感情の迸りが好きなタイプなのでね!

……というか、二次元のものをわざわざ三次元で体験しなくてもいいんじゃない?程度の感覚だったのよ。もともと二次元のものじゃないっつうの。

とにもかくにも、結婚したらこの問題は避けて通れない。
最初からそれ抜きって契約なら別だけど、普通の婚姻という契約なわけで、それなら今夜がその時なのだろう。

念のため、準備したうちのメーカーの新品の下着。
普段寝るときは楽ちんブラジャーだけど、今日はきっちりワイヤーの入ったレースのブツです。

そして、良い匂いのボディソープ。
これはなんか、女子力高そうなコスメショップで買った。店員のお姉さんがたらいでぶくぶく泡立てて匂いを教えてくれたヤツを、引くに引けずに購入。いえいえ、女子力高そうな可愛いお花の香りがします。
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