愛され新婚ライフ～クールな彼は極あま旦那様～

それらをひとまとめにしてルームウェアにくるんとくるみ、膝の上に置いて待機している。いつも使っているシャンプーとコンディショナーはお風呂を洗ったときに、セット済みだ。こちらは特別なものにはしていない。

「雫さん、お先でした」

20分ほどで高晴さんが出てきた。
濡れ髪をタオルで拭く仕草も、初めて見たパジャマ姿もかなり新鮮で緊張感はいやますばかり。

「あ、じゃあ私も入ってきます」
「ごゆっくり」

ごゆっくりと言われても、そんなに長く待たせられないよね。普段は平均40分くらいのお風呂時間だけど、今日は30分以内でいこう。

洗い場で猛烈に髪と身体を洗った。泡をたてまくって、丁寧に足の指の隙間まで洗う。隅々まで綺麗にしておかなきゃ。
映画や漫画で見てるのは一部分なわけで、参考にならないけれど、とにかくあちこち触られるんでしょ？
部屋が暗ければムダ毛は見えないかもしれないけど、さわったときにモジャモジャざらざらはわかってしまう。結婚式前に脱毛はしてきたし、今のところムダ毛はどうにかなってる。あとは清潔でツルツルならオッケーじゃない？

じゃぶんと浴槽に入り、顎まで湯に浸かった。湯船を見つめてぶくぶくと鼻の下まで湯に沈むこむ。
セックス……セックスするんだ。私、いよいよそんな経験をしてしまうんだ。
痛いとか痛くないとか、そういう無駄なことは考えない。
これは儀式。夫婦になる儀式だ！
だから恋してなくてもできる！！

というか、何かで読んだことあるけれど、女性って抱かれると相手を好きになっちゃうらしいんだよね。
ＳＮＳ情報だったから、信憑性ないけども。
でも、それなら円満に今夜を超えれば、私の中に高晴さんを愛しく思う気持ちが湯水のように湧き出てくるのでは？