【短編】チョコレートは恋の味
むしろそっちの方が、甘かった。


なんて、言えはしない。


「でさ、波奈ちゃん。」


羽柴が真剣な顔つきに戻る。


くそ、こっちの羽柴に私は弱い。


「俺のことどう思ってる?」


「い、言わなきゃダメ?」


「だめ。」


恥ずかしいでしょ。


羽柴はよく、あんな表情で言えたよね。


すごいな。


なんて感心してる場合じゃない。


「き、嫌いじゃない。」


「もう一声!」


う、絶対分かってやってるなこいつ。


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