雨と制服とジャージ
「まあ……お前は普段からちゃんとしてるしな」

先生はそう言って、ソファに肘を掛けて、私がラインを送り終えるまで見守っていてくれた。
たまに頬に掛かる先生の息に、ドキドキしながら。

すぐにお母さんから了解のスタンプが送られてきて、ほっとスマホを鞄に入れた。
先生の家 とは言わない、ずるい娘です。

ピカッ、……ゴロゴロ…
雨足は強まっているし、雷の音はまだ鳴っているけれど、少し遠のいたように感じる。

「先生、雷はもう大丈夫みたいですね」
「ああ。後は電気が戻れば」
「ブレーカー見に行くんでしたっけ。暗いけど目も慣れてきましたね!」

先生に後ろから抱きしめられていたような格好から、すっと立ち上がって振り返る。
すると、先生が私の手首を引っ張り座らせた。

「わっ、危ない」

先生の胸の中に背中から着地した。
さっきより、バクバクと強い鼓動が伝わってくる。

< 19 / 26 >

この作品をシェア

pagetop