雨と制服とジャージ
「わっ」
「まぶしー!」

昼間のように照らすライト。停電が終わったようだ。
一斉にいろんな機械の電源が入る音がしている。

明るいところでブランケットを巻かれた私は目も当てられない姿で、急いで洗面所で着替えた。
途中だった乾燥機は、余熱で乾いていた。

「煙草は……やっぱお前送ってからにしよう。そろそろ車出さなきゃ、家の人が心配してるよ」

先生はジャージに着替えて、私は制服。
あんな夢のようなキスなど、全くなかったような雰囲気になってしまった。



ふんわり乾いたシャツを着て、ショーツをはいた。太もものゴムがぴちっと鳴って、着替え完了。
洗面所の鏡を見て髪を整え、私は一生徒に戻る。

先生にひとつ、聞いてもいいかなあ。
もし、私が卒業したら。
その時は今日の続き、してくれる?

……なんて、聞けない。先生の背中を見たら、聞けない。
先生は、やっぱり先生なんだもん。

電気がつくと、魔法が解けたみたい。
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