泣き虫
タイトル未編集

現在

風が窓を叩く音で目が覚めた
分厚い雲に覆われた空からは大粒の雪が降っていた

「進藤さん、おはよう。身体の調子はどう?」

いつも私の面倒を見てくれてる、気さくなナースが声をかけてきた

「今日中に逝きそうなくらい調子悪いよ」

「冗談でもそんなこと言わないの!」

半分冗談だったけど、そろそろな気がするのは確かだった。
自分の身体だから嫌でも分かってしまう。

今年で80になる私は最愛のを亡くしてから癌を患った。
病は気からと、よく言うが、本当かもしれない。妻を亡くしてからどんどん弱っていってる気がする。
心も身体も。

病院での生活は、暇で、時が流れるのが遅い。
昔の事を思い出しながら、窓の外の景色をぼんやり眺めるのが日課となっていた。

そういえば、あの日は今日と違って、ものすごく暑くて太陽がギラギラしてた。遠くの空に見えた入道雲が、何故か今でも脳裏に焼き付いている。
< 1 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop