復讐日記
そうだった、明日書いたのは近所の犬のことだっけ。


あの犬は少し狂暴な性格をしていて子供の頃手を噛まれた事があるんだ。


今では老犬になって大人しいけれど、噛まれた時の傷はまだ残っている。


あたしは自分の右手を見つめた。


犬歯が突き刺さった場所だけ色が変わっている。


触れてみてももう痛みはない。


傷は完全に塞がっている。


けれどあの犬があたしの目の前で死んでくれれば、きっと心はもっとスッキリすることだろう。


あたしに少しでも嫌な思い出を残したものたちが、どんどん消えて行ってくれるのだから。


「明日が楽しみ」


あたしはそう呟いてほほ笑んだのだった。
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