色眼鏡
「あたしも悲しいけど、でもそういうものだと思ってるもつり」


「夏生……」


「このタイミングで里菜と仲良くなれたもの、必然的なものだったのかもしれないよね」


そう言って、夏生は笑った。


夏生にとってお婆ちゃんの存在はとても大きなものだった。


その存在が離れて行き、代わりにあたしとの距離が縮まった。


「夏生はさ、神様っていると思う?」


「なに急に? あたしがお迎えがくるとか言ったから?」


「そうじゃないけど、気になって」


そう言うと夏生は考えるように空を見上げた。


その横顔はとても綺麗だ。
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