色眼鏡
☆☆☆

「よし」


翌日、あたしは眼鏡を外した状態で玄関に立っていた。


家から学校までの道は通い馴れているし、きっと大丈夫。


自分自身にそう言い聞かせて、ぼやけた視界で一歩踏み出した。


いざとなれば眼鏡を付けれるように、ちゃんと鞄の中に入れてきている。


白線の内側を意識しながら歩き出す。


恐怖心はあったけれど、体が覚えている道なのでスムーズに歩き始める事ができた。


これならきっと大丈夫だ。


行き帰りと休憩時間は眼鏡を外して、授業中だけ我慢してかければいい。


ちょっと不便だけれど、コンタクトレンズが届くまでの期間だけだ。
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