沈黙する記憶
スマホの画面を確認すると、由花からの着信だった。


つい30分ほど前に別れたばかりなのに、なんの用事だろう?


一瞬電話に出るのをためらってから、あたしはスマホを手に取った。


「もしもし?」


さっきまでさやと由花も怪しいと考えていたため、自然と声が小さくなってしまった。


『もしもし、千奈?』


「うん。どうしたの由花?」


『少し気になった事があって』


「気になった事?」


と、聞き返す。
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