沈黙する記憶
ハッと目が覚めると、朝日が顔にあたっていた。


暑さで体中から汗がふき出している。


呼吸も乱れていて落ち着くまで少し時間がかかった。


あたしは大きく深呼吸をしてベッドから起きだし、シャワーを浴びた。


冷たい水を頭から浴びるとようやくホッとする。


汗をかくくらいの悪夢を見たのは久しぶりだ。


「しっかりしなくちゃ……」


夢の中で見た杏の辛そうな表情を思い出し、あたしは自分の頬を叩いたのだった。
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