沈黙する記憶
「ダメだな。出よう」


居心地の悪さもあるのか、克矢はそう言ってそそくさと店を出た。


「克矢、大丈夫?」


額の汗をぬぐっている克矢にあたしは聞いた。


「あぁ。人ごみは苦手なんだよ」


「どこかで休憩しようか」


「いや、別にいい。早く他の場所も探そうぜ」


克矢はそう言うと、あたしの手を引いて再び歩き出したのだった。
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