沈黙する記憶
山の中は涼しいけれど、やはりジットリとした汗が滲んでいた。


蒸し暑さと気分の悪さが体にまとわりついている。


「千奈」


逆側からさやが声をかけて来る。


あたしはさやへ向けてほほ笑んだ。


「行こう……!」
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