沈黙する記憶
新学期
それから数週間後。


ゴミ袋の中の骨が杏のものだったと連絡を受けたあたしは、ようやく泣いた。


1日中、休む間もなく涙は溢れ出し、一緒にいた由花とさやを沢山心配させてしまった。


杏の葬儀も形式通り執り行われて、それはまるで夢の中の出来事のようで……。


ふわりとした意識のまま、夏休みが明けた。


いつもの教室。


いつものクラスメート。


違うのは、夏男と杏がここにいない事だけ。


みんなも夏男が起こした事件の事はすでに知っているようで、誰も、あたしたちに話しかけようとはしなかった。
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