沈黙する記憶
☆☆☆

そして数十分後、夏男のスマホに連絡が来た。


「裕斗からだ裕斗は今から会えるらしい」


「ここへ呼ぶの?」


「あぁ。集まれるだけ集まって、杏の居場所を知らないか聞こうと思うんだ。メールじゃこっちの真剣さが伝わらないと思って」


確かに、いつも冗談を言い合って遊んでいるメンバーだから、杏がいなくなったという一大事を冗談だと受け止めてしまうかもしれなかった。


「そうだね」


あたしはが夏男の意見に賛成すると、次々に夏男のスマホに折り返しの連絡が入ってきた。


「克矢もさやも由花も今から合流できるって。よかった、みんな家にいたみたいだ」


ホッとしたほほ笑みを浮かべる夏男に、あたしもつられてほほ笑んだのだった。
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