沈黙する記憶
☆☆☆

それぞれバラバラになって歩き出すと、裕斗との間に沈黙が訪れた。


さすがに今日は冗談を言い合って笑うような雰囲気にはならず、2人とも沈黙を続けたまま歩いていた。


「最後に千奈が杏と連絡を取ったのはいつ?」


不意にそう聞かれて、あたしはビクッと身を震わせた。


いつか、誰かが聞いてくると思っていた。


いつまでも隠し通せるものでもない。


本来なら警察にもちゃんと言うべき事だ。


あたしはその場に立ち止まり、ジッと裕斗を見た。


裕斗は少し戸惑ったような表情を浮かべ、そして優しくほほ笑んだ。


「少し、公園で座ろうか」


「うん……」


こうして、あたしたちは夜の公園へと向かったのだった。
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