浮気の定理
バイバイと右手を大きく振りながら、駅の方へと向かう。



このとき彼が複雑な気持ちを抱えてたなんて、少しも知らずに……



私の興味は桃子を助けることだけ。



彼女に昔のような気高さとかっこよさを取り戻してほしいだけ。



男なんて、ただ体を満足させるための道具に過ぎない。



父親を信用してないように、北川のことも山本のことも、信用していなかった。



私の中で男は、必ず裏切るただの動物。



だから、私も同じように彼らに接する。



それが一番傷つかなくていい方法だとわかっているから……
< 197 / 730 >

この作品をシェア

pagetop