浮気の定理
店を出て、帰り道を途中までみんなで歩く。



来月は大丈夫だからと桃子が言った。



それに乗っかってありさと涼子もわいわい騒いでる。



頭にはその会話が入ってきてるはずなのに、私はずっと上の空だった。



水落にどう接触しようか考える。



山本の報告次第では、自ら動かなきゃならないかもしれない。



そんな私に気付いた涼子に声をかけられて、ハッとした。



無理に笑顔を作り桃子の腕に絡み付く。



桃子もまたさっきのことは忘れたかのように、私を見て微笑んでくれた。
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