浮気の定理
トイレの個室に入ると、急いでスマホを確認する。



受信したメッセージに涼子の顔は自然と緩んでいた。



手早く返信をして個室を出ると、洗面台の大きな鏡に自分の顔が映っているのが見えた。



真由の言う通りだ。



顔が少し赤い……



手を洗い、ペーパータオルで水気を拭き取ると、まだ冷たい手のひらをそっと両方の頬に当てる。



これで少しは火照りが冷めてくれるといんだけど……



大きく息を吐いて深呼吸する。



大丈夫、バレてない……



そう自分に言い聞かせて、涼子はわざとゆっくりと、みんなの待つテーブルへ戻った。
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