浮気の定理
口にはしていないけれど、雅人は薄々感づいているんだろう。



私も後ろめたさから、どうしても堂々と嘘をつくことが出来なかった。



彼を失いたくないなら、もっと上手に言い訳すべきだったのに……



自分自身も動揺していたのだ。



あんな男と一夜を共にするなんて、信じられなかったから……



今更ながらにそれを思い出して気持ちが悪くなる。



重い体をなんとか起こして、浴室へと急いだ。



ズルズルと足を引きずるように歩きながら、着ていた服と下着を脱ぎ捨てる。



脱ぎ捨てられたそのすべてを処分するつもりだった。
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