浮気の定理
あの男に触れられたすべてを消してしまいたかった。



シャワーを浴びて体を赤くなるまで擦り続ける。



今日が休みで良かった。



会社に行けばあの男と顔を合わさなきゃならない。



2日だけそれが延びたところで、同僚である以上会うことは避けられないのはわかってる。



だけど、少しでも気持ちを整理したかった。



これからどうしたらいいのか、考える時間が欲しかった。



「痛っ……」



気づくと、擦りすぎた腕に血が滲んでいる。



それを見て桃子はようやく擦るのを止めた。
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