浮気の定理
定例会のあと、ありさと涼子にさよならしてから、真由に夕飯も食べていかないかと誘われた。



どうせ誰も待つ人がいないのだから、断る理由もない。



二つ返事で快諾すると、真由は嬉しそうに私の腕に腕を絡ませた。



ずっと一人だけ独身だった真由は、もしかしたら寂しかったのかもしれない。



定例会のあと、そそくさと夫や子供の元へ帰っていく私たちを見送りながら、真由は何を思っていたんだろう?



だから今、夕飯に付き合うと言っただけで、こんなに喜ぶ真由を見て、なんとなく離婚するのもいいもんだなと思えた。
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