浮気の定理
家にまで着いて行ったなんて、そんな危険なことを真由がしていたのかと思うと、背筋がゾッとした。



「大丈夫だったのよね?
真由、なんにもされてないよね?」



山本に掴みかからん勢いでそう言うと、小さな声で自信なさげに、たぶん……と答えた。



「たぶんてなによ!」



もし私のせいで真由にまで迷惑がかかったらと思うと怖かった。



私の代わりに今度はあの子が脅されたりしたら、どうしていいのかわからない。



「大丈夫だとは思うよ?

真由ちゃん、あれで結構抜け目ないし、あっさりパソコンとスマホのデータ消去して、ついでにあいつの恥ずかしい格好、写真に撮ってたから」
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