浮気の定理
けれどそれは和也のためじゃなく、自分が楽になりたいためだ。



今、本当のことを話してもし和也の気持ちが変わらなかったとしても、一生彼の心に傷を残すことになるだろう。



自分のしたことに自分で責任を持つのは当たり前だ。



だったら後ろめたい思いを胸に抱きながら、和也とともに歩んでいくことが、私に出来る償いなのかもしれない。



「……うん」



彼の胸に顔を埋めながらなんとかそう返事をして、これから死ぬまで和也を大切にしていきたいと、強く思った。
< 458 / 730 >

この作品をシェア

pagetop