浮気の定理
飯島さんのことは確かに好きだった。



でもそれはマッチの火のようにあっという間に燃え尽きてしまうような激しく儚い恋。



長い道程を彼と歩いていくことは想像できなかった。



きっと彼もそんなこと考えてみたこともないだろう。



共に白髪の生えるまで、ずっと一緒に歩いていくのは、やっぱり和也なんだろうと思ってる。



だけどこうして和也からずっと傍にいてなんて言われると、これでいいのかと胸が傷む。



本当のことを話した上でも、そう言えるのか試したくもあった。
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