浮気の定理
「でも、まあ……真由の見る目は確かだったってことだけどね?

あんなやつだと思わなかったもん。離婚して良かったと思ってる。真由のおかげだよ?ありがとね」



桃子に礼を言われて、私は自分がちょっぴり誇らしかった。



見る目があるっていわれたことも、自分のおかげだと言われたことも。



桃子のために全力で助けようと頑張ったことが、報われたような気がした。



「じゃあ、もうすっかり吹っ切れてるんだね?」



「うん、もう前に進んでる。新しい恋もしたくなってきたかなぁ」



早いかな?と笑いながら言う桃子に、そんなことないよと否定した。
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