浮気の定理

「ま、私のことは置いといて、真由もちゃんと恋しなさいよ？

私のことは全部わかってるくせに、自分のことはなぁんにも教えてくれないんだから」



「だから、ありさにも言ったけど、あたしは男は信用してないから」



「山本も？」



その名前を出されて一瞬、言葉に詰まった。



男の中でも、山本は別格だ。



桃子のことで協力してきたこともあるし、なにより体を重ねた仲でもある。



信用してないといったら嘘になるだろう。



「山本くんは別だよ、だって桃子が紹介してくれたんじゃない。今回はいろいろ協力してくれたしね？」