浮気の定理
きっと自分の罪を一生黙っていることで償おうとしているのかもしれない。



「は……あはは……」



笑いが込み上げてきた。



結局、桃子も真由もありさでさえも、ちゃんと前向きに一生懸命生きてる。



変わらずにこの鳥かごみたいな生活を死守しようと足掻いてるのは私だけだ。



なにも成長しないまま、知らずに過ぎていく結婚生活は、将来……花を不幸にするかもしれない。



今はまだ花には手をあげない勇も、いつかは私のように彼女を閉じ込める可能性はないとは言えないのだから……
< 658 / 730 >

この作品をシェア

pagetop