浮気の定理
確かに日にちが迫っていたし、キャンセル料も取られてしまうかもしれない。



だけど母に言われたように、幼稚園に慣れるためにも、バザーを優先した方がいいと思ったのだ。



でも勇には伝わらなかった。



先に予約した方が優先に決まってるだろ?と譲らない。



それでも私にしては珍しく、必死に食らいついた。



自分のためなら我慢も出来るけれど、他ならぬ大事な娘のためなのだから……



案の定、そんな私の態度を勇が許すはずもなく、いつものお仕置きが始まる。



けれど今回だけはどうしても、最後の言葉を言いたくはなかった。
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